9月に10th Anniversaryを迎える。その月のライブは、BAHO、ジョニー吉長、PINK CLOUD、村田和人、T-SQUARE、バービーボーイズ、バブルガムブラザーズ、聖飢魔Ⅱ、爆風スランプなど、そうそうたるアーティストがチキンに駆けつけ、それぞれが祝賀ライブを披露した。また、スージー・クアトロやデビット・T・ウォーカーなど、海外からの大御所のライブも継続して開催された。
91年の「新春歌絵巻」は上田正樹&サウス・トゥ・サウスの再結成が話題となり、7月にも単独ライブを行った。この年からインストゥルメンタルのセッションが多くなる。特に「KOBE セッション」など、村上“ポンタ”秀一を中心とするライブは東京を上回るのではと噂されていた。また、翌年にメジャーデビューを控えたウルフルズやザ・イエロー・モンキーなどが相次いで出演した年でもあった。
バブルが崩壊し、尾崎豊の突然の死や、チェッカーズの解散という音楽界でも暗いニュースが漂っていた'92年。スポーツ界ではバルセロナ五輪で日本人選手が大活躍し、元気を与えてくれた。チキンでは、「それが大事」のヒットを飛ばした大事MANブラザーズバンドやメジャーデビュー直前のMr.Childrenなどが初登場。後に常連となるBEGINやCINNAMONもこの年に初出演している。
13年間にわたりキャバレーの2階で営業を続けたチキンジョージが翌11月に1階に移転。客席数も約2.5倍とスケールアップする。1代目最後のライブは渡辺真知子が締め、2代目最初のライブはHUMAN SOULが飾る。その後はリニューアルスペシャル「イチからライブDAYS Vol.1」として、チキン初出演アーティストが数多く出演。東京スカパラダイスオーケストラもそのひとつだった。
ブーツィー・コリンズ、ジミー・クリフ、ザ・ウェイラーズ、メイズ、オハイオ・プレイヤーズ、ウータン・クラン、ジョージ・クリントン&P-FUNKオールスターズなどブラックミュージック満載の年。国内の音楽シーンはJ-POPの全盛期が始まり、CDが飛ぶように売れていた時代だった。関西テレビの音楽番組「夢の乱入者」レギュラーの渡辺香津美率いる夢乱バンドが3日間ライブを行い話題になる。
1月17日、阪神・淡路大震災が発生。2代目チキンも壊滅的な被害を受け全壊し、わずか13ヵ月間で消滅した。しかし!5月に憂歌団、7月には「新春歌絵巻」をチキン跡地の野外で実施。被災地を勇気づけるライブとなった。そして被災からわずか11ヵ月、12月に奇跡の復活を遂げる。3代目チキンは2代目よりさらに規模が大きくなり、5月に青空ライブを開催した憂歌団からスタートした。
'96年3代目チキンの幕開けは、やはりHUMAN SOUL。そして1年振りにチキンで開催された「新春歌絵巻」にはムッシュかまやつ、鈴木聖美などが出演。その後も続々と有名アーティストが応援に駆けつけてくれる。6月のストリート・スライダーズによるVs.ライブは、東京スカパラダイスオーケストラ、斉藤和義、憂歌団、エレファントカシマシ、忌野清志郎を迎え盛大に開催される。
関西テレビの音楽番組「夢の乱入者」収録ライブにて、うじきつよしがミュージシャンとして久しぶりに登場。Char、山崎まさよしとのセッションに場内が大いに盛り上がる。9月には奥田民生が"股旅TOUR"でチキンを訪れる。このライブの様子は日本武道館でのライブ映像とともに「TOUR 1997 股旅」DVDに収録されている。12月には吉田美奈子が初の正式ライブを行う。
5月には再結成したARBのライブ。10月には矢沢永吉のライブ・ハウス・ツアーが開催されるなど、この年も数々の大物アーティストがチキンに登場。デビュー15周年を迎えた大江千里が久しぶりにチキンで3日間のライブを行う。またムーンライダースが20周年記念ライブを開催するなど充実の1年だったが、11月3日に出演した大村憲司が18日に突然他界したのは、今だに残念。
ウルフルズ、Dragon Ash、TRICERATOPSなど、人気バンドのライブが次々に開催される中、音楽だけにとどまらず、レスリングやボクシングの会場としても注目されるようになる。「闘龍門 JAPAN LIVE MATCH」が定期的に開催され、11月にはボクシングの試合が開催され、あの長谷川穂積がプロデビューを飾っている。20周年を前に、ライブハウスの可能性をさらに拡げた年になる。